かつては美容や健康にとってマイナスなイメージが強かったチョコレートですが、最近ではその優れた健康効果が注目されています。腸に良いことを取り入れる習慣、いわゆる「腸活」においても、チョコレートには実は絶大な効果があることが分かってきました。
でも、チョコレートといっても、その質や種類はさまざま。どんなチョコレートでも腸活に良いわけではありません。
そこで今回は、腸活とチョコレートの関係について詳しくご説明するとともに、腸活に役立つチョコレート選び、一緒に摂取すると良い食材などをご紹介します。チョコレートを上手に取り入れて、美味しく楽しみながら腸活をしてみませんか?
チョコレートに含まれる「カカオ」の力とは
「チョコレートは太る」「チョコレートでニキビができる」など、チョコレートは美容に悪い印象が強かったのは、もう昔の話。最近では、スーパーやコンビニでも健康効果を謳ったチョコレートが多くみられます。一体なぜそんなにチョコレートが優れているのでしょう。その理由はチョコレートに使われている「カカオ」にあります。
カカオのもつ健康効果とは?
チョコレートの原材料のメインは「カカオ」です。主に熱帯地方の常緑樹で年間を通じて気温が高く、雨の多い地域に育つ植物です。カカオには食物繊維やカルシウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれています。その他に含まれているポリフェノールには、さまざまな研究が盛んに行われており、抗酸化作用のほか、ストレスをやわらげる効果なども知られています。
カカオの健康効果
- リラックス効果
- 便通を整える効果
- 動脈硬化予防
- 老化防止(抗酸化作用)
- 体調を整える効果
さまざまな健康効果があることで、カカオを多く使用しているチョコレートについても価値が見直されています。とくに、腸活で注目したいのが「便通を整える効果」です。
カカオプロテインが腸内環境を整える!?
カカオには、不溶性食物繊維であるリグニンとタンパク質のカカオプロテインが含まれています。この2つが消化されずに腸にたどり着くことで便通を整えます。
不溶性食物繊維リグニンは、腸内で水分を吸収して膨らむため便を柔らかくして便量を増やします。さらに、腸にたまった不要な老廃物を体外へ排出する働きをもっています。食物繊維には善玉菌を増やす作用もあるため、腸内環境を整える働きも期待できます。
また、カカオプロテインが難消化性のタンパク質であることもプラスに働きます。難消化性のタンパク質は人間の消化酵素では分解しにくいタンパク質なので、摂取しても胃や小腸で消化吸収されず、そのまま大腸に届き、腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やします。その結果、腸内環境が改善されるのです。
つまり、不溶性食物繊維(リグニン)とカカオプロテインを含むカカオは、腸内環境改善に適した成分を2つも含んでいることになり、そのカカオを含むチョコレートは腸内環境改善にプラスに相乗効果を発揮します。
カカオポリフェノールの健康効果「抗酸化作用」
カカオには、まだ健康効果のある成分があります、それが「カカオポリフェノール」です。
カカオポリフェノールには、動脈硬化と高血圧を予防する効果が知られています。抗酸化作用があるため、悪玉コレステロール(LDL)の酸化を防ぎ、動脈硬化を防いだり、血管を拡張する作用により高血圧の予防効果までも期待できます。
その他にも、お肌の老化の原因となる活性酸素を抑制する働きもあるため、老化防止にも嬉しい成分です。。さらに最近の研究では、脳の活性化やアレルギー改善の報告もされており、カカオは健康面は一層注目されています。
腸活するためのチョコレート選びの注意点
チョコレートに含まれるカカオの成分は腸活において一役買ってくれる存在です。しかし、その際のチョコレート選びには注意が必要です。ここでは効果的な腸活に重要なチョコレート選びの注意点をご紹介します。
その①チョコレートは何でもいいわけではない!
まずは、チョコレートの種類は大切なポイントです。チョコレートだったら何でも腸内環境が改善されるわけではありません。最も重要なポイントは、腸内環境の改善効果が期待できるチョコレートは高カカオ商品(ハイカカオチョコレート)であることです。カカオを70%以上含むものを一般的に高カカオ(ハイカカオ)と呼んでいます。
例えば、ホワイトチョコレートは腸活においてはあまり好ましくありません。なぜならば、原料からカカオマスが取り除かれていることによりカカオプロテインなどの腸に働く成分が少なく、腸内環境の改善効果はほぼ期待できません。
また、チョコレートには砂糖が多く入っていることも多く、砂糖のとりすぎも要注意。砂糖は体を冷やすと言われていますが、実は腸にとっても好ましくない作用があるのです。実は、砂糖(白砂糖)は悪玉菌の大好物。摂り過ぎれば悪玉菌を活発化させてしまいます。
ハイカカオのチョコレートは、カカオが多い代わりに砂糖が少なくなっているので、その点でも優秀です。チョコレートを選ぶ際には、商品パッケージのカカオ含有量を確かめようにしましょう。
その②食べ過ぎは禁物!
もう1つ気をつけて欲しいのは、食べ過ぎです。チョコレートのカロリーは決して低くありません。チョコレートはカカオに由来する脂質が多く含まれています。また、高カカオチョコレートの場合にはさらに脂質の割合が多く、ハイカロリーになってしまいます。
ハイカカオチョコレートを100g摂取した場合には、その量だけで女性の1日あたりの総脂質摂取目標量を超えてしまうこともあり得ます。そうなってしまってはたとえ腸活が成功したとしても肥満になる可能性があります。チョコレートを食べる際には摂取量を超えないように注意しましょう。
また、カカオに含まれるテオブロミンという成分には利尿作用や興奮作用もあるので、摂り過ぎには注意が必要です。さらにチョコレートにはカフェインも含まれているので、摂り過ぎると不眠に繋がることもあります。くれぐれも食べ過ぎには注意しながら腸活を続けましょう。
チョコレートと併せて食べるならOKフード
チョコレートのメリット・デメリットをご紹介してきましたが、最後にチョコレートを取り入れた腸活を行う方に、心がけて欲しい食生活を解説します。ハイカカオチョコレートは確かに腸活している人でも罪悪感なく食べれて、腸にも嬉しい成分が豊富です。しかし、チョコレートを食べればOKというわけではなく、日頃から普段の食生活も見直すことが必要です。
そこで最後に、腸活を助ける食べ物「OKフード」となるべく避けた方がいい「NGフード」をご紹介します。
腸活を助けてくれる『OKフード』
OKフードとは、「腸に良い食材」です。
具体的には消化を助けてくれる酵素をたくさん含んだ食材や、腸の働きを良くする成分を含んだ食材、腸の働きに負担をかけない食材などです。
酵素の豊富な生野菜・生果物 (食事の最初に摂ると良い | アボカド・大根・きゅうり・セロリ・リンゴ レモン・オレンジ・バナナ・パイナップル キウイなど |
酵素の豊富な発酵食品 (善玉菌のエサとなる植物性乳酸菌) | 納豆・味噌・ぬか漬け・麹 キムチ・ピクルスなど |
短鎖脂肪酸を作り出す食材 (大腸の粘膜の栄養となる) | わかめ・昆布・ひじき・・・水溶性食物繊維 梅干し・黒酢・・・発酵食品 |
血糖値の乱高下を防ぐ低GI食材 | 雑穀・玄米・ライ麦パン・全粒粉パン 全粒粉パスタ・アガベシロップなど 野菜・キノコ類・海藻 |
オメガ3系の食用油 | 亜麻仁油・エゴマ油(加熱NG)・シソ油 |
消化酵素を大量消費してしまう『NGフード』
NGフードとは、酵素を大量に消費してしまう食材です。
調理方法に関係なく、基本的には腸活を妨げるため、なるべく控えていただきたい食材です。
白砂糖が多く使われた食品 (スイーツなど) | ケーキ・どら焼きなど・・・スイーツ類 清涼飲料水 |
添加物を多く含む食材 | (発色剤)ハム・ソーセージ・ベーコン (結着剤)ハム・ソーセージ・ベーコン (合成保存料)かまぼこ・ちくわなどの練り物 (合成着色料)イチゴシロップ・ゼリーなど (酸化防止剤)インスタント食品・バターなど |
動物性タンパク質 (消化酵素を消費しすぎる食材) | 肉・魚・鶏卵など 肉は週に200g以内 魚は週に300g以内 鶏卵は週に5個以下 |
血糖値の乱高下を起こしやすい 高GI食材 | 白米・白いパン・うどん・白砂糖など 精製された白い食べ物 |
古い油・トランス脂肪酸 (油が酸化してしまっている食材) | 使い古しの油 時間の経った干物・フライ・天かす スナック菓子 日本産マーガリン・菓子パン |
植物の生の種(アブシジン酸) (酵素が働きにくくなる) | ミカン・スイカ・ブドウ・梨・リンゴなどの種 キウイ・トマト・イチゴ・オクラ・キュウリ・ナスの種は問題なし |
NGフードを絶対に食べてはいけないという訳ではありませんが、効果的に腸活を行いたいという場合にはぜひ意識してみてください。
まとめ
チョコレートには、腸活にうれしいカカオポリフェノールやカカオプロテインが豊富に含まれています。とくに、腸にとってプラスの効果も期待できるハイカカオチョコレートは、腸活中こそぜひ取り入れたいスイーツです。ぜひ、チョコレートを食べながら美味しく腸活を続けていきましょう。
また、腸活をより効果的に進めるためには、チョコレートに限らず、普段の食生活から腸に注目して見直すことが大切です。ぜひ、紹介したその他の食材などもバランスよく摂り入れつつ、腸活により健康的な身体をキープしていきましょう。