「ゆるファスティング」ってなに?デトックス効果は期待していい?

ファスティングは、一定期間食事を摂取しないことを指します。
胃腸を休めることによるデトックス効果が期待できるとして、注目を集めています。
しかし、ファスティングは数日間食事をとらないので正しい方法でないと体調を崩してしまったり、長い空腹時間に耐えるのがつらいと感じてしまったり、といったイメージを持たれがちです。
そのため、ハードルが高いと感じる人も少なくありません。
そのような中で注目されているのが、「ゆるファスティング」です。
今回は、「ゆるファスティング」とはどのようなファスティングなのか、デトックス効果はゆるファスティングでも期待できるのか、などの疑問に答えていきます。

最近話題の「ゆるファスティング」とは?

私たちの体には、細胞内の古くなったたんぱく質をリサイクルすることで体内の老廃物を一掃し、細胞の活性化を促す「オートファジー」という働きが備わっています。
オートファジーの働きを活発にするためには、最後の食事から16時間ほど経過することが条件となっています。
このメカニズムを活用しているのが「ゆるファスティング」です。

食事を摂取すると、胃と腸が体にとって必要なものと不要なものを消化によって仕分けします。
正常な働きをしている場合は、必要なものが体の隅々まで運ばれ、不要なものは便となって排出されます。
しかし、時間を空けずに食事を摂取してしまうと、胃腸が休めない状態になってしまうのです。
そして、消化機能に支障をきたします。
仕分け作業が追い付かずに食べ物が体内に溜まり続けると、栄養がしっかり届かないだけではなく、老廃物が体内に残ってしまいます。
老廃物が体内に残った状態になると、ニキビや肌のくすみといったトラブルにもつながってしまうので、悪循環だと言えるでしょう。
不要なものが腸内に溜まったままだと、水分や血流も滞ってしまい、冷えやむくみの原因にもなります。

空腹の時間を長くするゆるファスティングを取り入れると、オートファジーが働きやすくなり、胃腸を休めることができます。
細胞の活性化や老廃物の排出機能も高まるため、食べ過ぎだと言われている現代人にとって必要だと考えることもできるでしょう。
本格的なファスティングよりも生活の中に取り入れやすいので、週末だけ行うなど生活に合わせたやり方で始められるのもゆるファスティングの魅力です。

デトックス効果はゆるファスティングでも期待できる?

デトックス効果は通常のファスティングで得られるイメージが強いですが、気軽に取り入れられるゆるファスティングでも期待できる効果です。
ゆるファスティングに期待できる効果には、以下のような点が挙げられます。

美肌効果
ダイエット効果
疲労軽減効果
脳のパフォーマンス向上効果
アンチエイジング効果

胃腸を休めることで、消化吸収の働きよりも排出の働きが強くなります。
そのため、不要な毒素や老廃物を体外に排出できるため、デトックスになるのです。
血液も綺麗になり、慢性的な疲れの軽減効果も期待できるでしょう。

また、食べないと糖質が体に入ってこないので、肝臓に蓄えられているグリコーゲンを使ってエネルギーを生み出します。
グリコーゲンが尽きると脂肪を燃焼してエネルギーを作ろうとするので、余分な脂肪が分解されます。
つまり、ダイエット効果も期待できるのです。

腸内環境の改善によって幸せホルモンと呼ばれているセロトニンなどの神経伝達物質も分泌されやすくなります。
神経伝達物質が分泌されると、メンタルが安定したり、脳のパフォーマンスが良くなったりします。
その結果、集中力が高まったり、感覚が鋭くなったりといったメリットも享受できるでしょう。

ゆるファスティングのやり方は?

ゆるファスティングは、1日に食事を8時間以内に済ませ、何も食べない時間を16時間設けることが基本的なルールです。
例えば、昼12時に最初の食事を摂ったら、20時までは食べても大丈夫です。
それ以降は16時間経過するまで食べてはいけません。
睡眠時間もファスティングタイムになるので、翌日の昼12時までは何も食べないということになります。
ゆるファスティングを行う時間帯に関する決まりはありません。
8時~16時や10時~18時など、自由に設定できます。
それぞれの生活スタイルに合わせ、やりやすい時間に設定してみてください。

オートファジーが働き始める時間には個人差があると言われています。
基本は16時間ですが、2時間前後の差は許容範囲だと考えて問題ないという声も聞かれています。
そのため、16時間何も食べないのがきついと感じる場合は、14時間耐えるところから始めてみるのも良いでしょう。
これがゆるファスティングの良さです。

ファスティングを行っている最中に水分をしっかり摂取することは、本格的なファスティングと同様です。
適切な量は人によりますが、できるだけ小まめに摂取することを意識してみてください。
冷たい水ではなく、常温または白湯を取り入れるのが特におすすめです。

ゆるファスティングで飲んでもいいもの・ダメなもの

ゆるファスティングでデトックスをするためには、ファスティング中の飲み物にも気を付けなければいけません。
最後に、デトックス効果を阻害しないために知っておきたいゆるファスティングで飲んでもいいもの・ダメなものについて解説していきます。

飲んでもいいもの

コーヒー

コーヒーは、ブラックコーヒーであれば問題ないとされています。
しかし、砂糖やミルクを入れるとカロリーが付与されてしまうので、できるだけ避けるようにしましょう。
コーヒーには、体内にある余分な水分や老廃物を排出する利尿作用、食欲を抑える効果なども期待できます。
デトックスにも適した飲み物だと言えるでしょう。
ただし、水分補給には適していると言い難いので、コーヒー以外に白湯なども飲むようにしてください。

酵素ドリンク

酵素ドリンクは、消化酵素と代謝酵素が含まれています。
通常のファスティングでは、食事の代わりに摂取することが推奨されています。
ゆるファスティングの場合は、食前に飲むのがおすすめです。
なぜかというと、消化の促進や代謝を良くする働き、デトックス効果が期待できるためです。
ただし、カロリーは高めなので飲み過ぎには注意しなければいけません。
また、添加物が入っていないものを選ぶこともポイントです。

この他にも、炭酸水やお茶もおすすめです。

飲んではダメなのも

清涼飲料水

清涼飲料水は、糖質が多く含まれているので、ファスティング中の飲み物として適切ではありません。
人工甘味料には、食欲を増進させる効果もあるため、ダイエット中は飲まないようにしましょう。

アルコール

アルコールは、空腹時に飲むと吸収されやすくなります。
食事と一緒に摂取すると、アルコールの分解が優先されるため、脂肪が溜まりやすくなってしまう点にも注意が必要です。
そのため、ファスティング中に飲酒するのは避けるのが無難です。

この他にも、牛乳や豆乳、プロテインなども避けるようにしてください。
牛乳や豆乳はカロリーが高く、プロテインはたんぱく質を腸内で分解するのに時間がかかってしまうためです。

デトックス効果が期待できるファスティングですが、本格的な方法だとハードルが高いと感じてしまう人が多いです。
しかし、オートファジーが働きを活性化させるゆるファスティングなら、16時間の断食で済みます。
そのため、より手軽にデトックスをしたいのであれば、まずはゆるファスティングから始めてみてはいかがでしょうか?
ゆるファスティングなら、生活の中に取り入れやすいです。