インナービューティ(内面美容)の実現には、食事面からのアプローチは主軸の1つです。
美容と健康の維持・向上に必要な栄養素には、ビタミンやミネラル、食物繊維などが有名ですが、中でも私たちが重要視しているものが「酵素」。
酵素は、ビタミンやミネラルほど知られていませんが、ヒトの生命活動(消化・吸収・分解、代謝や免疫力、ホルモンバランスなど)に直接・間接的に関わる、インナービューティに不可欠の成分です。
酵素には数多く種類があり、一部は食事で補うことができます。
酵素をより効率的に摂るために、「酵素が豊富な食べ物TOP3」と酵素をムダにしない方法、期待できる効果についてご紹介します。
インナービューティの食事のカギ「酵素」
酵素は、インナービューティの実践において、主軸の1つとなる栄養素。
内面から健やかで若々しい身体づくりのために、積極的に食事に取り入れたい食品群です。
酵素とは何か?
酵素とは、タンパク質の殻で覆われた栄養素の1つで、人間や動物、植物といった生物の生命維持に不可欠な、消化・吸収・代謝などの働きを促進する性質を持つものです。
酵素の数は約5,000種類あるといわれていますが、それぞれ1つの働きだけをする専門家です。
酵素は、体内にある「内部酵素(潜在酵素)」と、食事で外から摂る「外部酵素(食物酵素)」の2種類があります。
さらに「内部酵素(潜在酵素)」は、「消化酵素」と「代謝酵素」に大別されます。
- 消化酵素:摂取した食物の消化・吸収において不可欠。
- 代謝酵素:糖質など栄養素の代謝や細胞の再生、免疫力向上など生命活動に不可欠。
酵素の力は加齢によって減退
潜在酵素は、誕生時すでに存在していますが、加齢によって減少し、働きが衰えていきます。
中高年になると、食事量が以前より少なくなったり、油っこいメニューで胃もたれしがちといった体質に変わるのは、「消化酵素」の働きが弱まってきたことも大きな要因です。
「代謝酵素」においても、消化酵素と同様、加齢に伴い減衰するため、若いときのままの食事量でも体重増加したり、肌荒れしやすくなります。
潜在酵素は、誕生から毎日体内で生成されますが、その量は限りがあります。
また、食事で食物酵素が補った場合、摂取後は消化酵素の働きしか持たず、潜在酵素量の直接的な増加にはつながらないため、注意が必要です。
食べれば食べるほど疲れてしまう?
人や動物は、摂った食物の消化に多大な体内酵素を消費します。
そのため常に満腹や満腹に近い食事だと、消化に取られてしまい代謝活動に酵素が回せません。
体内酵素を消化にばかり使われると、消化・吸収・分解等のスムーズな働きを促すことが難しくなり、代謝や免疫力が低下する、ホルモンバランスが崩れるなど、慢性的な不調や疲労感、疾病を招くおそれがあります。
いつもたっぷり食べて、十分にカロリーが足りているからと言って、全員が健康になれるわけではないどころか、かえって肥満や生活習慣病を招きやすくなるのは、この要因も無関係ではありません。
そのため、酵素は外部(食事)から補い、消化に消費される酵素を節約する必要があります。
節約された酵素が、スムーズ代謝や免疫活動に割かれるようになれば、体の内面からイキイキとインナービューティにつながります。
インナービューティを食事で目指す!
酵素が豊富な食べ物TOP3
酵素を手軽により多く摂る食べ物は、「新鮮な生野菜や旬野菜」「新鮮な生フルーツ」と「発酵食品」の3種類に限られます。
インナービューティOKフード1|酵素が豊富な食べ物(生野菜/生フルーツ)
新鮮な生野菜
生の野菜には多く酵素が含まれ、ビタミンや食物繊維、その他の栄養素も豊富です。
ただ、酵素は「熱に弱い」性質があるため、加熱調理せず生やすりおろしで食べることがカギ。
また野菜の中でも旬のものは、酵素の含有量が高い傾向にあります。
新鮮な生フルーツ
フルーツには生野菜と同様、豊富な酵素が含まれ、一緒にビタミンや食物繊維も摂れます。
ミキサーやジューサーは、回転速度が速すぎて、発生した熱で酵素が壊れてしまうため、避けてください。
酵素は加熱で“失活”!生食が基本です
生野菜や生フルーツなどの酵素は、熱耐性が低い性質を持つものが多く、加熱(ほとんどは48℃以上)すると失活し、食事でいただく際は生食が基本。
また野菜やフルーツが持つ、酵素をはじめとした栄養素は細胞膜に内包されているため、すりおろし器やジューサーなどで細胞膜を破壊すると、酵素の働きが向上します。
ちなみに、野菜やフルーツにおいては栄養価が最も高い時期を“旬”と呼ばれるので、栄養素の1種である酵素も、同様に多く含まれていると期待できます。
インナービューティOKフード2|酵素が豊富な食べ物(発酵食品)
発酵食品とは?
発酵食品は、食材に付着した菌、カビ、酵母といった微生物の作用を利用して作られたものです。
この微生物は、食材内のたんぱく質と糖分を養分にしており、その養分を取り入れることによって異なる物質に変化することを「発酵」といいます。
通常、食材は発酵のプロセスによって、栄養価が向上したり、新たな栄養素が生成されるといわれています。
発酵に用いられる微生物は複数種類あり、
麹菌→味噌・日本酒、納豆菌→納豆、酢酸菌→酢、乳酸菌→漬物
などが作られます。
≪発酵食品がもたらす代表的なメリット≫
発酵食品は、発酵プロセスで微生物によって食材の栄養素(糖質やたんぱく質)が分解されるため、食事で摂ったあと体内で分解しなくても良いため、体への負担が減り、消化酵素・代謝酵素の大量消費も防げます。
また発酵食品に含まれる乳酸菌などは、(死滅していても)腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やすサポートをする役割も持つため、腸内環境の悪化を要因とした便秘や肌荒れ、気分のムラといった不調の緩和も期待できます。
- 栄養をスムーズに吸収
- 免疫細胞を活性化
- 腸内環境の改善
- 肌荒れの改善
- 脂肪分解の促進効果
- コレステロール値の正常化
- アレルギー症状の抑制
発酵食品の代表例の1つでもある「ヨーグルト」「チーズ」は、加熱殺菌によって酵素が破壊されている、動物性タンパク質は消化時に酵素を大量消費する、日本人の食性・体質に合わない、などの理由から、インナービューティの実践においておすすめしていません。
【まとめ】
食事によるインナービューティにおいて、「酵素」は必須かつとても重要な要素です。
酵素のうち、体内の潜在酵素は自分で増やすことはできませんが、潜在酵素の働きをサポートする食物酵素を摂ることで、潜在酵素の浪費抑止につながります。
「生野菜」「生フルーツ」「発酵食品」を積極的に取り入れ、内面美容を目指しましょう。