ファスティングやダイエットなどをしたい場合、複数の飲み物を飲み合わせていいのか、相性はどうなのかなど気になる場合もあるでしょう。
酵素ドリンクは、生の野菜や果物から栄養分を抽出して発酵したものなので、ビタミンやミネラル、アミノ酸などを含んでいます。
一方のプロテインは、たんぱく質を主成分とした栄養補助食品を指すことが多いです。
全く成分が異なるドリンクを飲んでも問題ないのか、これらの相乗効果はどうなのかなどを解説していきます。
酵素ドリンクの持つ効果は?
酵素ドリンクは、いくつもの野菜、果物、海藻、きのこなどから栄養分のみを抽出したものです。
素材が持っている酵素を発酵させたものなので、一般的な野菜ジュースのように加熱処理がされていません。
天然の微生物菌によって生まれた酵素の働きを使い、長時間かけて作られているのです。
酵素成分をそのまま含んでいるため、体内で食べ物を吸収しやすいように働き、さらに体の細胞の生まれ変わりを助けたり、老廃物の排除を促したりしてくれます。
酵素ドリンクを飲むと、ダイエットや健康サポートが期待できるだけでなく、美肌効果も得られるでしょう。
プロテインはどんな効果がある?
一方のプロテインですが、これはたんぱく質を中心とした栄養補助食品を指すことが多いです。
2020年版の「日本人の食事摂取基準」では、一日に推奨するたんぱく質は18~64歳の男性で65g、 女性は50gとしています。
しかし、実際にはこの数値よりもたんぱく質の摂取量が低く、健康意識の高まりもあって、積極的にプロテインを摂取する人が増えてきました。
たんぱく質は、人間の体に欠かせない成分であり、水分の次に多い割合を占めています。
食事でたんぱく質を摂取すると、体内で新しいたんぱく質が生成され、古くなったたんぱく質は排出されます。
不足してしまうと、筋肉、皮膚、内臓、髪の毛、ヘモグロビンなどたんぱく質を主成分とした部分で新しいたんぱく質を作り替えられません。
しかし、食事でたんぱく質を補おうとすると他の栄養素も多く摂取しがちになってしまうため、プロテインを飲んだり食べたりする方が増えたのです。
プロテインには以下の種類があり、摂取のタイミングが異なります。
【プロテインの種類】
・ホエイ…牛乳たんぱく質の一種で、アミノ酸スコアが高いです。
吸収率が高く、筋肉との相性が良いので運動後の摂取がおすすめです。
・カゼイン…牛乳から脂肪、ホエイを取り除いたもので血中アミノ酸濃度を長時間維持します。
ゆっくり吸収されるため、就寝前に飲むのがおすすめです。
・ソイ…大豆から油脂を絞ったもので大豆たんぱく質を多く含みます。
腹持ちが良くてダイエットに向いているので、朝食や運動の後に摂取するのがおすすめです。
酵素ドリンクを活用したい時は?
このように、酵素ドリンクとプロテインでは全く別の効果を持っていることがわかりました。
続いては、酵素ドリンクを活用したい時についてです。
酵素ドリンクは、基本的に健康維持、アンチエイジング、腸内環境改善、ダイエット、ファスティングなどの目的で使用されます。
目的によって飲み方や飲むタイミングが変わってきます。
太りにくい健康的な体づくりを考えている場合は、朝、運動前、就寝前、食事前などに飲みます。
置き換えやファスティングなどの場合は、食事を酵素ドリンクに変えるようにするとより効果を感じられるでしょう。
置き換えの場合は朝、昼、夜のどれかを酵素ドリンクに置き換えて胃腸を休ませつつ、必要な栄養を摂取できます。
酵素ドリンクに変えることで、負担がかかりやすい胃腸を休ませるだけでなく、消化酵素を補うこともできるのがメリットです。
朝飲めば胃腸を徐々に働かせることができ、夜飲めば就寝中に細胞を活性化できます。
ファスティングでは期間にもよりますが、3食全て酵素ドリンクに置きかえて1日から数日かけて行います。
ファスティングは、必要最低限のカロリーやビタミン、ミネラルを補給し、胃腸や内臓を休ませて健康な状態に導く方法で、体内の有害物質を排出するものです。
酵素ドリンクには消化機能回復が期待できるため、体の中から健康で美しくなるために用いられることが多いということです。
プロテインを活用したい時は?
一方のプロテインを活用したい時は、食事で十分なたんぱく質を補えない、トレーニングなどをした後などです。
上記でも紹介したように、日本人は全体的にたんぱく質が不足している傾向があり、慢性的に不足している可能性があります。
たんぱく質が十分でないと、筋肉量や基礎代謝の低下、成長障害、脱毛、免疫力低下、冷え性、肩こりなどの症状が起こる可能性が考えられます。
これらは全てたんぱく質が関係していて、エネルギーが不足していると筋肉も衰えてしまうのです。
基礎代謝や免疫力の低下は、風邪や細菌から体を守るために欠かせないものであり、健康を意識するなら不足しないように気を付けなければなりません。
また、集中力ややる気にもたんぱく質は大いに関係していて、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質はアミノ酸から生成されるため、たんぱく質の不足が生成に影響を与える可能性もあります。
このような内容から、たんぱく質を手軽に摂取できるプロテインは、酵素とは違うものの人間の体に欠かせない成分を手軽に補えるものに間違いないでしょう。
酵素ドリンクとプロテインは併用できる?
酵素ドリンクとプロテインは、どちらも違った働きをするものです。
この2つのドリンクを同時に摂取したり、併用して飲めたりするのか気になる方もいるでしょう。
基本的に酵素ドリンクもプロテインも薬ではないため、同時に飲むこと自体に問題はありません。
しかし、効果的な使い方や飲み方をしなければ、お互いに十分な効果を得られない可能性があります。
例えば、酵素ドリンクを食事に置き換えるファスティングなどでは、固形物を摂取せずに胃腸を休ませると同時に腸内環境も整えていきます。
何も食べない断食では、腸内細菌が減少してしまいますが、酵素ドリンクなどを摂取することで腸内細菌を取り入れて栄養を補いながら体をリセットできます。
しかし、体をリセットしても思うような効果が得られない場合は、まず代謝をしっかりできる体に整えるためにプロテインを飲むのがおすすめです。
特に何をしても痩せないタイプは、慢性的なたんぱく質不足を起こしている可能性が考えられます。
このようなタイプにファスティングをしても、思うようなデトックスが期待できない場合もあるので、最初にたんぱく質で補ってから酵素ドリンクに置き換えるのが良いでしょう。
プロテインなら、ファスティング中に筋肉が落ちないようにしつつ、代謝による衰えを防ぐ効果も期待できるため、酵素ドリンクで効果を期待したい方や筋力を落としたくない方に最適です。
現代の食生活は、好きなものを好きなタイミングで食べられる機会が豊富です。
食品添加物や有害なミネラルなどを摂取しやすい環境にあるため、体内に有害な物質を溜め込んで排出できない方もいるでしょう。
酵素ドリンクなら、食べすぎで消化酵素を多く使う方におすすめで、ファスティングならより代謝をスムーズにできます。
ダイエット以外にもデトックスやアンチエイジングとしても効果が期待できるものなので、健康を意識したい方には大きなメリットが得られるでしょう。
しかし、ファスティングなどで酵素ドリンクを飲んでいるとたんぱく質が減少しがちです。
筋肉の維持に役立つたんぱく質は、現代人に不足しがちな成分なので積極的に摂取したい成分です。
プロテインならたんぱく質を手軽に補えるため、今後ファスティングを検討している方は早めにプロテインでたんぱく質不足を補っておくのがおすすめです。