プロテインが腸内環境に与える影響は?

筋力アップやダイエットなどで食事制限を行う際に役立つプロテインですが、中にはプロテインを摂取するようになってからお腹の調子が悪くなったと感じる方もいるようです。
実際、プロテインの過剰摂取や長期的な摂取は、腸内環境に悪影響を及ぼす可能性が示唆されています。
とは言え、プロテインの適切な摂取方法や注意点などについて、しっかりとした知識を身に付けておけば、腸内環境への影響はある程度防げるはずです。
そこで今回は、プロテインが腸内環境に与える影響や、良好な腸内環境を保ちつつプロテインを摂取する方法をご紹介していきます。
プロテインを安心して美容や健康へ役立てるためにも、ぜひチェックしてみてください。

プロテインを摂取すると腸内環境が悪化する?

筋力アップやダイエットなどで食事制限を行う際に役立つプロテインですが、中にはプロテインを摂取するようになってからお腹の調子が悪くなったと感じる方もいるようです。
それは、以下のような理由で腸内環境が悪化しているからかもしれません。

たんぱく質の摂りすぎで悪玉菌が増殖している

プロテインの摂取によって腸内環境が悪化する理由のひとつに、たんぱく質の摂りすぎが考えられます。
たんぱく質を消化する際は、悪玉菌のエサとなる窒素が発生するため、たんぱく質を摂りすぎると悪玉菌が増殖してしまいます。
その結果、腸内環境のバランスが崩れて、お腹の不調につながるのです。
普段の食事で、肉や魚、卵、乳製品などのたんぱく質を含む食材を多く食べている方が、プロテインを摂取するようになってから便秘しやすくなったと感じる場合は、たんぱく質の過剰摂取が原因の可能性があります。

人工甘味料が原因の可能性も

プロテインの中には、サッカリンやスクラロース、アスパルテームなどの人工甘味料が含まれている商品もあります。
人工甘味料は、腸内環境のバランスを崩す可能性があるという研究結果が報告されています。
プロテインを飲んでからお腹の調子が悪くなったという場合は、成分表示を確認してみて、もし人工甘味料が含まれているようであれば、人工甘味料が入っていない別の商品に切り替え、様子を見るのもおすすめです。

プロテインの摂取でお腹が緩くなる原因

プロテインを摂取するようになってから便秘しやすくなったという方もいれば、軟便や下痢をするようになったという方もいます。
プロテインの摂取でお腹が緩くなる原因には、以下のようなことが考えられます。

悪玉菌が増加している

プロテインを摂取してお腹が緩くなった時にまず疑われるのは、悪玉菌の増殖によって腸内バランスが崩れていることです。
先述の通り、たんぱく質を摂りすぎると、消化の際に悪玉菌のエサとなる窒素が大量に発生し、悪玉菌が増殖してしまいます。
悪玉菌が増えて腸内環境が乱れると、便秘だけでなく軟便などの症状も現れてくるのです。

プロテインの種類が自分の体質に合っていない

プロテインを摂取すると下痢になるという方は、プロテインの種類が自分の体質に合っていない可能性があります。
プロテインの種類は、大きく分けて動物性たんぱく質に由来するものと、植物性たんぱく質に由来するものの2種類が存在します。
その内、動物性たんぱく質由来のプロテインに該当する「ホエイプロテイン」や「カゼインプロテイン」は、牛乳を主原料としているため、乳製品を摂取するとお腹の調子を崩す体質の方には不向きです。
ホエイプロテインやカゼインプロテインを飲んだ後に下痢になるという方は、大豆を原料とするソイプロテインのような植物性のプロテインに切り替えると改善する場合があります。

良好な腸内環境を保ちつつプロテインを摂取する方法

腸内環境が悪化する原因は、プロテインだけとは限らず、普段の食事や生活習慣などが原因の可能性もあります。
そこで、ここでは良好な腸内環境を保ちつつプロテインを摂取したい時に、気を付けるべきことをご紹介します。

食事を毎日決まった時間に摂る

お腹に不調をきたさないようにプロテインを摂取したいのであれば、生活習慣を見直すことも大切です。
例えば、食事の時間が不規則な方は、食事を毎日決まった時間に摂るようにすることで、腸内のリズムが整うと言われています。
腸内リズムが整えば、便通を促すぜんどう運動も活発になって、便秘をしにくくなります。
また、最も便が出やすいとされている朝食後に、便意がなくても毎日必ずトイレに行く習慣をつけることも、便秘の解消に効果的です。

こまめに水分補給をする

元から便秘をしやすい人が、プロテインを摂取し始めるとさらに便秘が酷くなることもあります。
特に、体の水分が不足している人は便秘になりがちなので、できるだけ水分をたくさん取るようにしてください。
ただし、一度に大量の水分を取っても、多くは尿として排出されてしまうため、こまめに少量ずつ補給するのがポイントです。

食事で足りない分のたんぱく質をプロテインで補う

プロテインは、普段の食事では足りない分のたんぱく質を補うために摂取することが基本です。
1回の食事で摂取すべきたんぱく質の量は、肉や魚、卵、豆腐などを全部合わせて、手の平の乗るくらいの量が目安とされています。
食事から十分なたんぱく質を取れている人が、プロテインをたくさん摂取してしまうと、悪玉菌が増えて腸内環境のバランスが崩れてしまいます。
プロテインはあくまでも、ダイエットや筋力アップなどで一時的な食事制限を行う場合に、不足分の栄養を補う目的で利用するものと捉えておきましょう。

プロテインの種類に気を付ける

腸内環境への影響を抑えてプロテインを摂取したい場合は、プロテインの種類にも気をつける必要があります。
特に、乳製品を摂取するとお腹の調子を崩すという方は、牛乳を主成分とするホエイプロテインやカゼインプロテインは避けるべきです。
もし、これまでホエイプロテインやカゼインプロテインを飲んだ後に、お腹に不調をきたした経験が多くあると感じる場合は、ソイプロテインをはじめとする植物性のプロテインに切り替えると改善する可能性が高いです。
別のプロテインに切り替える際は、人工甘味料が含まれていないかどうかも確認してみてください。

お腹の不調を感じたらプロテインの摂取を一旦中止する

プロテインを摂取するようになってから便秘や下痢をしやすくなったという場合は、一旦プロテインの摂取を中止することをおすすめします。
これまでご紹介してきた通り、プロテインでお腹に不調が現れる原因には、たんぱく質の摂り過ぎや、人工甘味料が影響している可能性、プロテインの種類が体質に合っていないことなどが考えられます。
それでも無理に摂取し続けると、腸内環境がますます悪化する恐れがあるため、まずは摂取を中止して症状が改善するかどうかを確認することが先決です。
摂取を再開する場合は、症状が完全に改善した上で少量ずつ摂取するか、別の商品を試すなどすると良いでしょう。

今回は、プロテインが腸内環境に与える影響や、良好な腸内環境を保ちつつプロテインを摂取する方法をご紹介しました。
プロテインは、誰でも簡単にたんぱく質を摂取できる飲み物ですが、適切な摂取量が守られていなかったり、体質に合わせた商品選びができていなかったりすると、腸内環境が悪化して便秘や下痢などを引き起こす可能性があります。
また、普段の食生活や生活リズムが乱れていると、プロテインによる腸内環境への影響が出やすいです。
プロテインを安全かつ効果的に取り入れるためにも、プロテインについて正しい知識を身に付けること、普段の食事や生活習慣を整えることを意識してみてください。