体の内面から美しくなることをインナービューティ、もしくは内面美容と言います。
この言葉の通り、体の中の状態を見直したり整えたりすることによって、総合的な観点から健康的で美しくなることができる仕組みです。
特に最近はアレルギー体質の方も多く、体の内側から整えていくことでアレルギー体質を改善できるのか気になる方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、インナービューティはアレルギー体質の改善に期待できるのかどうかについて解説していきます。
インナービューティとアレルギーは関係している?
そもそも、インナービューティは体の内側から調子を整えていき、内面から出てくる美しさを含めて整えていくことを言います。
体を温める温活、腸内環境を整える腸活などもインナービューティに含まれています。
体の中に良いものを摂取していくためには食事を見直すだけではありません。
食事に含まれている栄養を体が吸収できるように、胃腸の調子を整えることも重要とされています。
いかに胃腸の健康を維持し、体に不要なものを排出できるための体づくりをしていくことが大切です。
そして、腸内環境はメンタル面にも密接に関係しています。
腸内環境を整えていくことでメンタル面も整っていくため、本物のインナービューティを目指すことができる仕組みです。
一方のアレルギー体質についてはどうでしょうか?
実はアレルギー体質にも、腸内環境が深く関係していることが研究でわかっています。
つまり、インナービューティとアレルギー体質は、どちらも“腸内環境を整える”ということが大きく関係しているだけでなく、インナービューティを意識していくことでアレルギーの改善も期待できる可能性が高くなってくるでしょう。
アレルギーが起こる仕組みは?
アレルギーはどのような仕組みで起こるのでしょうか?
私たちの体には、細菌やウイルスが侵入してきた際に外敵を排除しようとする免疫が備わっています。
本来、免疫は細菌やウイルスなどの外敵に反応しますが、私たちに害を与えない物質に対しても過剰に反応してしまうことをアレルギー反応と言います。
アレルギー反応は自分自身を傷つけてしまうものとなり、花粉、ダニ、食べ物など身の回りにあるものが体内に侵入してきた際に反応を起こすのです。
花粉に反応するなら花粉症、食べ物に反応するなら食べ物アレルギーです。
アレルギーを引き起こす物質をアレルゲンと言い、体内に入って2時間以内にIgE抗体が作られます。
IgE抗体が次々と作られる人はアレルギー体質となりますが、体質だけの問題ではなく、環境に関する要因も大きく関係しているとされているのです。
また、このような体内の免疫システムは腸にもあり、これを腸管免疫と呼んでいます。
これは腸そのものが大きな免疫システムであり、口と肛門は外に接していることからウイルスや異物が侵入しないように体を守っています。
そこで、腸管細菌が抗体を生み出すことに関係していたり、免疫細胞が活性化することにも関わっていたりすると研究でわかっています。
このような内容から、免疫細胞の異常な反応によってアレルギーが起こり、腸内細菌も免疫システムに関係していることが理解できます。
また、腸内環境を整えることで免疫の過剰な認識を抑えることもできるのです。
腸内環境とインナービューティの関係は?
このように腸内環境を整えることで花粉症、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などの発症や軽減が期待できることが研究結果として報告されています。
特に腸内細菌の働きによって短鎖脂肪酸という物質が生み出され、これがアレルギー反応軽減に関係しているという研究結果もあるほど、腸内環境の改善は体に関係していると言えるでしょう。
免疫細胞は小腸に約50%、大腸に約20%いると言われていて、大腸全体には100兆ほどの腸内細菌がいるとされています。
これらの細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分類され、2:1:7の割合が理想とされているのです。
腸内環境を整えることで腸全体の動きが活発になり、代謝アップや老廃物の排出、免疫機能の向上が期待できます。
腸内環境を整えることはインナービューティとも密接な関係があり、腸内環境から美しくできればアレルギー体質も軽減できる可能性が大きいでしょう。
インナービューティでアレルギーの改善が期待できる方法は?
インナービューティを意識しながらアレルギーの改善を期待するにはどのような方法を取るのが良いでしょうか?
発酵食品を意識して摂取する
インナービューティでは、発酵食品を意識して摂取することが良いとされています。
なぜなら、発酵食品にはビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌などの生きた菌を含んでいるからです。
善玉菌は、残念ながら腸内で長時間滞在することができません。
日々継続して発酵食品を取り入れるように意識するだけで、腸内環境を整えることができるでしょう。
主な発酵食品には納豆、キムチ、ヨーグルト、味噌などがあります。
糖質を減らす
悪玉菌は糖質を好む傾向があります。
糖質と聞くと、甘いお菓子などと感じるかもしれませんが、パンや麺類にも糖質は含まれているのです。
糖質を多く摂取すると血糖値の変動が大きくなるだけでなく、副腎皮質ホルモンのコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールは、アレルギー治療に用いられるステロイドと似た働きをするため、血糖値の安定に使うとアレルギー症状を抑えられなくなってしまいます。
できるだけ糖質少なくする食事や食べ物を意識してみましょう。
食物繊維を増やす
平成28年に厚生労働省が公表した「平成28年アレルギー疾患の現状等」のデータでは、喘息、アレルギー性鼻炎などの疾患を持つ患者数が増えていて、約2人に1人は何かしらのアレルギーを持っているという結果が出ています。
これには、腸内の酪酸菌の働きを活発にすることがアレルギー抑制に関わっているとされているのです。
一部の酪酸には水溶性食物繊維の代謝によってできたものがあり、不足すると酪酸の生産が出来なくなってしまいます。
食物繊維を意識して摂取することで酪酸の生産ができるだけでなく、お腹の調子を整えたりビフィズス菌を増やしたりできます。
海藻類、きのこ類、大豆、バナナ、ゴボウやニンジンなどの根菜類を意識して食べましょう。
添加物や保存料を減らす
現在食べている食品において、添加物や保存料は当たり前のように使用されています。
確かに添加物や保存料がなければ食品の傷みが早く、全てを手作りにしなければならないことで手間や時間がかかってしまうでしょう。
食品ロス削減の観点からも難しいかもしれませんが、添加物や保存料がインナービューティやアレルギーの改善を阻んでいることも事実です。
そのため、完全な排除は難しいかもしれませんが添加物や保存料を減らせるように意識するようにしてみましょう。
特にアレルギーを引き起こしたり悪化させたりするものとして、安息香酸ナトリウム、パラベン、亜硫酸塩、コチニール色素、サッカリン、アスパルテーム、グルタミン酸ソーダなどがあります。
インナービューティを意識することでアレルギーの改善に役立つことがわかっています。
腸内環境が整うことで体や心の健康が保てるため、この環境を整えていくことで内面から美しくなれたりアレルギーの緩和にも繋がったりするのです。
本物の美しさを得るには、腸内環境を意識して整えていくことが大切です。
上記でご紹介した食べ物を意識しつつ、体をリセットする意味ではファスティングもおすすめです。
ファスティングもインナービューティと関係の深いものなので、この機会にチェレンジしてみるのも良いでしょう。